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シェーヴルの新顔ご紹介

台風の影響で、丸の内も雨がどしゃーっと…

そんな中でも濡れずに来られるアビタは元気に営業中!
といっても、まったりムードがバリバリです。

こんな日は、チーズとワインでちょいと一杯いかがでしょう。

 コンポステル(シェーヴル;山羊乳チーズ)
コンポステル

フランスからスペインガリシア地方の巡礼の地『サンチャゴ・デ・コンポステーラ』への道のり、
巡礼者は、聖ヤコブの象徴である「ホタテ」を首から下げて向かったそうな。
ある日、誰かが落した貝殻を山羊使いが拾って、チーズの型に使い始めたのが始まりだとか…

真偽のほどはともかく、こんな話の伝わるチーズ。
フランスで「モンサンミッシェル」と並び、フランスでもっとも美しいとも言われるこの地を
ちょっぴり散歩した気分になれるかな?

なめらかで、流れ出してしまいそうなクリーム。優しい酸味。
落ち着いた味わいのシェーヴルです。

禁欲の十字架?

怪しき中世風のこの十字架は何ぞや?
カタル

シェーヴル・チーズ(山羊乳)の表面です。
保存のための炭を振り掛けるときに、十字の型を置きマスキングして
この地域の紋章を描いています。

Cathare カタル
カタル1

「カタル」は南フランス、ラングドック地方の地域名ですが、
さらにこの地域名は、11~12世紀に南仏に広がった宗教活動の、
「カタリ派;Cathares」からとられています。

古くは東欧に起源をもつといわれ、完全なカタリ派の教義では、
性行為すら禁止という、極めて禁欲的なグループでした。
「産めよ増やせよ地に満ちよ(創世記6日目)」ではなかったのかしらん?
ということなのか、カソリック教会に異端とされ弾圧されてしまいました。
(堕落したカソリック教会に反発した宗教運動とも言われています)

さて本題。このチーズ、名前の由来の禁欲的イメージとは当然裏腹。
クリーミーでコクもあり、実に官能的。
山羊臭さはやや控えめ。
水分が少し抜けて、良い状態です。

是非召し上がれ!
(紋章が官能的チーズに刻印されちゃあ、
今は亡き「カタリ派」の聖職者は地団太踏んでいるのでは?)

ワインは南フランスの白が良いのでしょうが、
以外にブルゴーニュでもアルザスでもコクがあるワインならいけちゃいます。
でも私の本命は、先週御紹介したこちら。
ピュイグロゼ
Côtes du Roussillon Rosé Dm. Puig/Parahy
コート・デュ・ルーション ロゼ ピュイグ・パライ ¥4,200 (グラス¥850)

こいつ夏場の万能ワインかも?

春の楽しみ

Valençay ヴァランセ
ヴァランセ1
まだまだコートが脱げないでおりますが、もう弥生3月。
木々の冬芽も膨らんできました。

春の声を聞けば、私「パブロフの犬」がごとく食べたくなる物の一つがこれ。
「シェーブル」そうです山羊のチーズです。
春は仔山羊が産まれるシーズン。フレッシュなシェーヴルもどんどん生まれます。

紹介の「Valençay」はフランス、ロワール川流域、ベリー地方産のシェーヴル。
ロワール川流域は、美しい城が多数あり「お城めぐり」をされたかたもいらっしゃるのでは?
このチーズの名の由来となっております「ヴァランセ城」はその中でも特に美しく、
フランスを代表する『ルネッサンス様式』の古城だそうです。
(私は行った事がございません。行ってみたいなあ)

写真では少々判りづらいですが、四角錘の上部を水平に切り取った形をしています。
この形からこんな逸話が。
『エジプト遠征に失敗して帰ってきましたナポレオン。失意の中訪れた「ヴァランセ城」。
その村のチーズを見て激怒!そのとがった上部を刀でズバっと。
だってそのチーズ、エジプトの象徴「ピラミッド」の形にそっくりだったんですもの。
それ以来、この村のチーズはこんな形に・・・』

なあんて、嘘みたいな嘘の話。ですよね~

さてお味は、フレッシュな酸味とクリーミーな舌触り。
牛乳のチーズより軽く内臓に優しい感じ。
サラダに乗せて召し上がっても美味しいですよ。
更にチーズをテフロンのフライパンで焼いて乗せると、ますます旨~ですよ。
シェーヴルs


ワインは、勿論ロワールの白。
私的には「春なんだなー」の組み合わせ。
テュエ・ブフ
Touraine Sauvignon '07 Clos du Tue Boeuf
 トゥーレーヌ ソーヴィニオン  クロ・デュ・テュエ・ブフ ¥5,800
自然派ロワールワインの雄、「ピュズラ」のネゴシアン物。
「なんだネゴシアン物か」というなかれ、彼の手にかかれば・・・

でもまずいぞ~。今日は『山羊』はおいしいヨ~といいながら
このワイン『牛(Boeuf;ブフ)』かよ!!

金色の山 Mont d'Or

暖かく、晴れ渡った今日。
“いちょう”は青く澄んだ空をバックに、黄金色に輝いて見えました。
イチョウ

今年は夏が暑くなかったせいか、家の周りの紅葉が遅れているようで、
今頃見ごろを迎えています。
いちょう4

この季節になるとやってくる、もう一つの“黄金色”が美味しいこれ

モンドール
habitat-logoMONT D'OR モンドール
このチーズはフランスとスイスにまたがるジュラの山で作られている、
ウォッシュタイプのチーズです。
原乳は牛さんのおっぱい、牛乳です。
モンドール2
 今日のチーズは、フランス産。
 勿論スイス側でも作られていますが、少しだけ違う。
 フランス側では、原料の牛乳を殺菌せず造りますが、
 スイスでは殺菌乳(パスチャライズ;低温殺菌)。
名前も、フランスでは「モンドール」で、
スイスでは、「ヴァシュラン・モン・ドール(Vacherin Mont d'Or)」。
これだけ。
以前は同じ名前でしたが、喧嘩別れしてしまったらしいのです。
モンドール5

 白カビが付いた表皮の下には、
 とろりと柔らかなチーズが・・・
 スプーンですくって食べます。
 
 このように柔らかいチーズですから、
 すぐに流れ出てしまいます。
 
 そのため、モミの一種エセピアの樹皮で囲ってあるのです。
 しかもその木の芳香が移り、更に魅力的なチーズになっています。
 
 
 匙ですくってはペロリ、すくってはペロリ。
 ちょろちょろと食べていても、すぐに無くなってしまいます。
 だって美味しいんですもの。
モンドール6
 こんなになってしまっても、まだまだ楽しめます。

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ワインにはチーズなのか、チーズにワインなのか

habitat-logoチーズはお好きですか?
私、今からは想像も出来ないことでありますが、二十歳になるまではかなりの偏食。
特に小学生の頃は、給食の時間は最も憂鬱な時間。
おかずは勿論。パンもあまり食べられないし、マーガリンを食べさせられて・・・悶絶・・

こんな私を救ってくれたのは、チーズだったのでは。
給食の「Qちゃんチーズ」は少ない楽しみのひとつ。
朝食には、炊き立てご飯の中に、「6Pチーズ」を埋め込んで、とろけたところをぱくりと。
なんで、食に関する仕事をしているのか?
食べることとなると目の色かえてガッツイている、今の自分が不思議でなりません。

そんな私の救世主、且つ、ワインの連れ合いを御紹介。
コース ボーフォール

右手前 Bleu des Coursses ブルー・デ・コース 
左 奥 Beaufor Été ボーフォール・エテ

どちらも、アビタに入荷している、フランス産チーズ。状態も良し、です。

まずは、右側のブルーチーズ。
ブルー・デ・コースは、ルエルグ地方(フランスの南西部)産。
かの有名な世界三大ブルーチーズのひとつロックフォールの弟分といった感じ。
何故なら、製法も一緒で、石灰台地にあいた洞窟の中で熟成も一緒。
違っているのは、原料の乳がロックフォールでは「羊乳」。こちらは「牛乳」。
ピリッときますが、ロックフォールより、クリーミーで親しみやすいのは牛乳だからかな。
甘口のソーテルヌや、しっかりした高級なボルドーの赤に合わせるのが常套。
でも、以外にどんなワインと一緒でも美味しくいただけます。
あえて言うなら、アルザスやドイツのやや甘く感じる白を合わせるのが私のお気に入りです。
味わいが強く感じすぎたら、蜂蜜をかけたり、乾燥イチジクを合わせれば、食べやすくなります。

さて、左のボーフォールはセミハードタイプ。
スイスやイタリアの国境近く、フランスアルプス、ジュラの山で作られます。
牧歌的な景色の中、昔ながらに牛を、夏は放牧。寒い冬は牛舎で育てています。
チーズ名の後半「えて」は6月から10月にかけて放牧され、
ハーヴを含んだ青草をたっぷり食べた牛からとった乳で造られたもの。
通常のものより、味わい深くこくが有ります。
しっかりした白ワインや、果実味たっぷりの柔らかな赤ワインがぴたりとくるでしょう。

Tag : フロマージュ