夜な夜なワイン ~ときどきジャズ~
丸の内「エスカール アビタ」 オーナー・ソムリエの徒然
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金曜日の夜を〆るのは

お食事の後に飲むお酒を、ディジェスティフ(食後酒)といいます。
甘いリキュール類やアルコール度の高いブランデー類が供されます。
リキュールの糖分は血糖値を上げ、満腹感と共に食事の終わりを促し、
強いお酒は、まるまると膨らんだ胃袋に刺激を与え、消化を促します。
(一般的日本人の胃袋には強すぎますまかねぇ?私は平気の平左ですが)

甘いものが苦手な私は、当然高アルコール飲料へと触手が伸びるわけでありますが、
このときに選ぶのは、グラッパやマール。
写真はナルディーニ社の「アクアヴィーテ・ビアンカ」。グラッパです。
歴史は古く、グラッパ造りで有名なヴェネト州バッサーノに蒸留所を創立したのは1779年。
今でこそ、色々なグラッパが出回っておりますが、昔はもっぱらこれ。
久々に封を切ると・・・香りは以前よりもマイルドでクリアーになったような。
このグラッパには「ほんと、お世話になりました」というくらい、呑みましたなあ。
グラッパはワインの絞りかすを単式蒸留器で蒸留したもので、ブランデーの仲間です。
いわば、「粕取り焼酎」ならぬ「粕取りブランデー」です。
この「アクアヴィーテ・ビアンカ」は色のついていない透明の液体ですが、
これはステンレスのタンクで熟成したため。
普通ブランデーといえば、琥珀色。
これは、樫樽に入れて熟成させたため樽の色がついたものです。

こちらの琥珀色のボトル。「マール・ド・ブルゴーニュ」と申します。
フランスのワイン銘醸地、ブルゴーニュの粕取りブランデーです。
グラッパとマールは兄弟みたいなもので、
イタリアではグラッパ、フランスではマールと呼ばれています。
エチケットを見ていただくと「Hospces de Beaune」の文字が。
オスピス・ド・ボーヌとは、ブルゴーニュの中心地ボーヌにある慈善施療院(養護ホーム)。
いわゆる病院で、これを維持するために寄進された畑で取れたワインを競売。
その名を付けたワインになります。
当然、絞りかすもあり、これを蒸留したのがこれ。
「オスピス」の名前だけでも、ありがたい感じが・・・・
では週末にむけて、今夜もガツンと呑みましょう!
「ありがたや、ありがたや」
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